試験目的
DLTを用いた耐力壁の実例の使用状況を踏まえ、片側をDLT、片側を構造用合板としたDLT合板併用 耐力壁のせん断耐力を確認しました。
試験概要
木ダボ構造材を在来軸組工法の耐力壁として用いることを想定し、面内せん断試験を行いせん断耐力および各特性値、破壊性状を確認しました。
試験方法
試験体仕様
試験結果
試験場所東北職業能力開発大学校
試験実施日令和5年3月1日、2日
面内せん断試験機最⼤水平加力100kN試験方法
試験方法
載荷方法:面内せん断試験 無載荷式
- ①加力方法は正負交番繰り返し加力とし、繰り返しの原則は、見掛けのせん断変形角が 1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50rad の正負変形としました。
- ②繰り返し加力は、同一ステップで3回の繰り返し加力を行うことを原則としました。
- ③最大荷重に達した後、最大荷重の 80% の荷重に低下するまで加力するか、試験体の変形角が 1/15rad 以上に達するまで加力しました。
試験結果
短期基準せん断耐力および倍率の試算
短期基準せん断耐力および倍率の試算
各試験体の換算壁倍率を表 16に示します。試験体Aでは壁倍率2.5倍、試験体Bでは3.7倍を目標としました。試験体Aで使用した合板で面材の等級は同一だがフェイス材にトドマツ材の合板があり、固定釘のめり込みが大きく、パンチングシェアにより釘孔が破壊、釘の抜けが生じた結果、設計耐力が出なかったと推測されます。
本試験では軸材を使用せず、HD金物の取付け部のラミナをビス補強したDLT壁構造としました。試験体A、試験体Bとも試験終了時の1/15radの大変形時であっても、土台へのめり込みはDLT端部のラミナに壁およびHD金物固定部での破壊しておらず、DLT壁の靭性が高いことが確認されました。