試験概要
DLTで使用するひき板の材せいが150㎜程度までは木ダボを材中央に配置しますが、材せいが大きくなる場合は木ダボ位置を材中央1列、または2段、もしくは千鳥打ちが可能であることから、木ダボ位置の違いによる構造性能を確認しました。
使用するひき板は個々のヤング係数(縦弾性係数)を計測し、曲げヤング係数順に“1(低い)”、“2(中程度)”、“3(高い)”の3種類に分類ました。分類されたひき板を使用した試験体で⼆線荷重⽅式による曲げたわみ測定、集中加力、曲げ破壊の各試験を行いました。
試験体仕様
断⾯⼨法180mm×240mm×4000mmの梁を3種類、各3体を⽤意しました。
ひき板 :群馬県産スギ KD材 無等級材
木ダボ :欧州ブナ φ20mm たて溝つき、含水率 13%以下
試験体B、Cの木ダボは縁あき2.5dとして50mm確保して木ダボを千鳥打ち、2段打ちとしました。
試験の実施概要
a.試験内容80mm×240mm,L=4.0m 実大梁の曲げ試験
b.試験実施⽇2020年12⽉1、7⽇
c.試験場所群⾺県林業試験場
実⼤強度試験機:SAH-100 前川試験機(株) 定格最⼤試験⼒:曲げ500kNd.試験方法
1) 0.4Pmax荷重載荷試験:3等分点 4点式曲げ(2線荷重⽅式)
⽀点間距離 3,600mm、載荷速度 5mm/min
試験⼿順
① 曲げ試験機の枕⽊をピンで固定し、⽀点間距離を調節します。
② 梁の位置を試験機のX,Y軸共に合わせ、中⼼を確認します。
③ 変位計を取り付けた後、枕木の固定ピンを抜き、加⼒盤を加力材に押し当て加力を開始します。
④ 荷重が設定値に到達したら、加⼒を停止します。
2) 6kN載荷試験:中央集中荷重(6箇所)
⽀点間距離 3,600mm、載荷速度 5mm/min
集中荷重による堅木がひき板にめり込まないよう加力は6kN、堅木サイズ(29mm×29mm L120mm)としました。試験⼿順
① 曲げ試験機の枕⽊をピンで固定し、⽀点間距離を調節します。
② 梁の位置を試験機のX,Y 軸共に合わせ、中⼼を確認します。
③ 変位計を取り付けた後、枕木の固定ピンを抜き、加⼒盤を堅⽊の加力材に押し当て加力を開始します。
④ 荷重が設定値に到達したら、加⼒を停止し、荷重のかかったままの状態で梁を観察します。
⑤ 除荷後に別の載荷点へ移⾏して加力を繰返します。
中央集中荷重n載荷位置はひき板4→2→1の順で行いました。
3) 曲げ破壊試験:3等分点 4点式曲げ(2線荷重⽅式)
⽀点間 3,600mm、荷重点間 1,200mm、載荷速度 5mm/min
基本的な流れは1)試験と殆ど変わりません。