試験概要
既往のDLT耐力壁の面内せん断試験の結果より、DLT壁は大きな変形を許容し、粘る特性を有することが確認されました。その特性を踏まえ、軸組みとの接合に靭性を有する接合具を使用する耐力壁を考案し、接合部の要素試験として、接合具の耐力、構造特性を確認します。
試験体仕様
面内せん断試験の木ダボ同様の加工孔径φ19.5mm(試験体A)、鋼製ダボと加工孔径とのクリアランスを考慮したφ20.0mm(試験体B)、さらに加工孔径をφ21.0mmとし接着剤を併用した試験体(試験体C)を用意しました。試験体概要を図 2.4-1に示します。
社団法⼈ ⽇本建築学会『⽊質構造接合部設計マニュアル(2009年11⽉30⽇)』を参考にしました。
主材、側材:群馬県産スギ KD材 無等級材
鋼製ダボ:SNR400B、外径φ20mm×150、中央部φ13mm×30mm
接着剤:ウレタン樹脂系無溶剤形 接着剤
試験の実施概要
a.試験内容降伏型接合具のせん断試験
b.試験実施⽇2020年12⽉7、8⽇
c.試験場所群⾺県林業試験場
実⼤強度試験機:SAH-100 前川試験機(株) 定格最⼤試験⼒:曲げ500kN
試験体A,C 各一体は法政大学で実施しました。d.試験方法変位計を取付け後に、試験体主材上部を加力し、強度を測定しました。
側材の開き止めにクランプ金物を使用しました。