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試験目的
材幅105mmのDLT耐力壁で面内せん断試験を実施して、壁の耐力を確認しました。
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試験内容
耐力壁の面内せん断試験
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試験場所
公益財団法人 日本住宅・木材技術センター
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試験実施日
2019年10月23日
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試験体仕様
耐力壁:DLTパネル
DLT構成部材:群馬県産スギ 乾燥材(KD材)含水率20.0%以下 105mm×105mm
JAS乙種2級 比重0.37以下の材料を選別木ダボ:欧州ブナ 直径20mm たて溝つき 比重0.65以上 含水率13%以下
配置間隔 @600mm ダボ孔加工径 直径19.5mm接合具:パネリード PX6-140(シネジック㈱) 先孔加工 直径3.0mm
試験結果
試験状況(試験開始前)
試験状況(加力終了時)
試験結果(速報)
表-1
試験結果の概要
図-1
荷重-せん断変形角曲線
表-2
試算した倍率
本試験は先に実施した30mm×105mmを積層したDLTパネルでの試験により“薄板によるDLTは変形性能が大きいが、剛性が低い”という傾向が確認されたことを受けて、薄板ではなく正角材の使用による剛性の向上を確認するために、下記の2点を変更しました。
1積層材を105mm×105mmスギ正角材に変更。DLTパネル幅を400mmに調整するために厚さ調整材として幅105mmのほかに幅85mmの材料を使用しました。木ダボの本数に変更はありません。
2木ダボの剛性と軸組とのビス接合部の剛性を同等程度とし、剛性の偏りを無くすため、軸組とDLTパネル、DLTパネル同士の接合部のビス(パネリード PX6 L140mm)を木ダボ1本あたり3本使用するものとして高さ方向に15本としました。
試験結果のまとめ
- 今回実施した105mm×105mm正角材の積層と、前回実施した30mm×105mmの薄板を積層したDLT耐力壁との比較は下表の通りです。105mmスギ正角材のDLT耐力壁は、ほぼ目論見に近い値が確認されました。
- 木ダボの本数に差異がないため、DLT耐力壁の耐力は積層材の見つけ幅に概ね比例すると言えます。
- 破壊性状(試験体が壊れた状況)を観察すると、パネルの中間部では積層材同士で4mm程度のせん断変形(上下方向のずれ)が生じていましたが、パネル端部の軸組材と調整材(材幅85mm)とのせん断変形(上下方向のずれ)が12mm程度となっており、調整材に大きなせん断が生じていました。
- DLTパネルの製作において、パネル幅を調整するためにパネル端部に105mm×105mm正角材ではなく105mm×85mmの調整材を配置しました。その結果、材端の調整材のせん断変形が105mm×105mm正角材のDLTパネルのせん断変形に対して大きく、これにより、端部の木ダボにせん断破壊が生じたものと推測されます。
- 今後実用化に向けては、調整材の挿入により幅を調整するよりも、積層材それぞれの幅によって幅の調整をすることが耐力上有利になる点を考慮する必要があろうと考えられます。