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試験目的
梁の中央部の上下面にひずみゲージを設置したDLT梁の曲げ試験(平使いの梁の曲げ試験)を行い木ダボ接合による荷重伝達の詳細を確認しました。
DLTに使用する製材(長さ4.0m)より切り出した板(長さ0.8m)の曲げ試験をあわせて行い、梁の構成要素の曲げ性能を確認しました。 -
試験内容
1)厚さ105mm×幅450mm、長さ3.2m DLT梁の曲げ試験
2)厚さ30mm×幅105mm、長さ0.8mの板の曲げ試験 -
試験場所
群馬県林業試験場
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試験実施日
2019年10月3日、4日、15日、16日
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H鋼荷重載荷時の状況
集中荷重載荷時の状況
曲げ破壊の状況1
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試験体仕様
図-1
試験体姿図
表-1
試験体の仕様
本試験ではDLTの各構成部材下面(15箇所)および、上面(8箇所)にひずみゲージを貼り、荷重載荷時にDLTのたわみと、その各構成部材に生じるひずみを測定しました。
DLT構成材:群馬県産スギ 乾燥材(KD材)含水率20.0%以下 30mm×105mm
JAS乙種2級 比重0.37以下の材料を選別木ダボ:欧州ブナ 直径20mm たて溝つき 比重0.65以上 含水率13%以下
曲げ試験内容
試験1
梁中央部にH鋼(H-75x150)を積載し、中央部に15kNまで荷重をかけてたわみ量を測定しました。
試験2
集成材の日本農林規格 曲げ試験Bに準じて部分的に4kNまで荷重をかけてたわみ量、荷重を測定しました。
DLTに部分的に荷重をかけられるよう載荷板に90mm×90mm、高さ90mm程度の硬木を介してDLTを構成する30mmの部材の約3枚分に架かるよう荷重をかけました。
試験3
たわみ測定試験実施後に集成材の日本農林規格 曲げ試験Bに準じスパン中央に破壊が認められるまで荷重をかけました。
試験結果
試験結果数値(速報)
表-1
DLT梁の曲げ試験結果
表-2
板の曲げ試験(ヤング係数測定)
試験体寸法 幅105mm、せい30mm、スパン420mm
曲げヤング係数は MOE=⊿PL3/(48I・⊿y)より求めた
試験結果のまとめ
- 試験2の集中荷重載荷時では荷重の載荷位置に応じてたわみ量が異なり、梁の端部に加力した荷重条件1、4の場合で変位計①~⑤では直線的にたわみが変化しており、木ダボによる荷重伝達効果が確認されました。
- 梁の中央に加力した、荷重3、荷重6の比較において、荷重位置直下の変位計3のたわみ量にわずかな差がありますが、荷重位置の直下に木ダボがなくとも変位計①~⑤のたわみ量がほとんど同程度であることから、木ダボの連結効果が確認されたといえます。
- ひずみの測定結果で、スパン中央に集中荷重を載荷した際に、載荷直下の部材3枚のうちで梁中心側の部材のひずみ量が大きい傾向が見られました。スパン中央から450mmずれた木ダボ上に荷重載荷した場合でも、同様の傾向が見られる為、何らかの相関関係が推測されます。